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桜井神社(糸島市)

(さくらい じんじゃ)

桜井神社は、福岡県糸島市志摩桜井に位置する神社で、福岡藩二代藩主黒田忠之によって創建されました。正式名称は「櫻井神社」であり、境内には伊勢神宮の内宮と外宮から勧請された「櫻井大神宮」が隣接しています。この神社は、その歴史的背景と神聖な雰囲気で、地域の信仰の中心として多くの人々に崇敬されています。

概要

社伝によると、慶長15年(1610年)に大雷雨が発生し、その際、現・本殿の後方にある岩戸神窟が開き、神霊が現れたとされています。この神霊の出現により、さまざまな霊験が報告され、その噂を耳にした福岡藩二代藩主の黒田忠之は、家臣を2度にわたり当地に派遣し、神威を確認したと伝わっています。その後、寛永2年(1625年)に櫻井大神宮が、続いて寛永9年(1632年)に櫻井神社が創建されました。創建当初から「与止姫大明神」や「岩戸宮」とも呼ばれ、筑前国の信仰の拠点となっていました。

祭神

櫻井神社には、以下の神々が祀られています。

主祭神
配神

境内の見どころ

櫻井神社の境内には、歴史的・文化的価値が高い建物や場所が数多く存在します。特に以下のものが注目されています。

石橋

神池に架けられた太鼓橋であり、福岡県内に残る石造橋の中でも非常に古いものです。石材には凝灰岩が使われ、建立当初の姿がよく保たれています。福岡県指定有形文化財として登録されています。

楼門

楼門は、入母屋造で三間一戸の形式を持ち、現在は銅板葺きとなっていますが、かつては瓦葺きでした。楼門は本殿と共に国の重要文化財に指定されています。

本殿・拝殿

本殿は、寛永9年(1632年)の棟札が残っており、流造の形式を持ち、屋根には向拝が付いています。彫刻は安土桃山様式で、極彩色が施されています。拝殿もまた同時期に建てられ、切妻造であり、本殿と共に国の重要文化財に指定されています。

その他の施設

境内には、神楽殿や絵馬殿も存在し、さらにいくつかの境内社が配置されています。櫻井神社が推奨する参拝順に従い、以下の境内社が参拝可能です。

櫻井大神宮

櫻井大神宮は、櫻井神社の南西部にある光寿山に隣接しています。この神社は、伊勢神宮から分祀を受けて寛永2年(1625年)に創建されました。かつては20年ごとに式年遷宮が行われていましたが、現在の社殿は慶応2年(1866年)に建立されたものです。本殿は、内宮と外宮を合祀しており、独自の建築様式を持っています。

境外

宇良宮

宇良宮は、夫婦岩に伊弉諾命と伊弉冉命を祀る神社です。櫻井神社の社地としても知られ、玄海国定公園内の二見ヶ浦に位置しています。夫婦岩は、夕日の名所としても有名で、毎年4月下旬から5月上旬には「大しめ縄掛祭」が行われ、夫婦岩に掛けられた大注連縄が新たに掛け替えられます。

文化財

国指定重要文化財

2023年(令和5年)に本殿、拝殿、楼門が国の重要文化財に指定されました。また、それ以前からも福岡県の有形文化財として登録されており、歴史的価値が高く評価されています。

福岡県指定有形文化財
福岡県指定名勝

祭事

桜井神社では年間を通じて多くの祭事が行われています。特に注目されるのは、毎年4月下旬から5月上旬に行われる「大しめ縄掛祭」や、7月2日に行われる「岩戸開き神事」です。以下は、年間の主な祭事です。

アクセス

桜井神社へのアクセスは以下の通りです。

Information

名称
桜井神社(糸島市)
(さくらい じんじゃ)

糸島

福岡県