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鶏卵素麺(銘菓)

(けいらん そうめん)

340年もの長きにわたり受け継がれてきた伝統菓子

「金沢森八」の”長生殿”、「長岡大和屋」の”越乃雪”と並んで日本三大銘菓のひとつに数えられた「博多松屋」の”鶏卵素麺”。その元祖は17世紀、安土桃山時代に、鎖国下の南蛮貿易のためにポルトガル人商人が出入りしていた肥前国の平戸(長崎)に伝来した南蛮菓子”フィオス・デ・オーヴォス(ポルトガル語で「卵の糸」)”。 砂糖が高級食材だった時代に黄味と砂糖のみでできている菓子で、氷砂糖の飽和水溶液を沸騰させて作った蜜の中に卵黄を細く流し入れて素麺状に固め、取り出して冷ましてから切り揃えている。江戸時代初期に刊行された『料理物語』菓子の部にも「玉子素麺」として製法が記載されている。

340年ほど前の江戸時代、博多の松屋利右衛門は、貿易商とともに平戸を訪れた際、中国人から製法を伝授され、日本の風土に合わせたレシピを作り、完成させたといわれる。初代利右衛門は1673年に博多に戻って販売を開始し、延宝年間に福岡藩主の黒田光之に鶏卵素麺を献上して御用菓子商となったという。明治期になると福岡の菓子屋ではどこでも作られるほど広まった。松屋利右衛門の初代から変わらぬ伝統の味を現代まで引き継ぎ、甘く豊かな香りと、しっとりとした食感の味わい深さを堪能して欲しい。

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