大島は、響灘と玄界灘の境界部に位置する福岡県宗像市の有人島であり、「神守る島」として知られています。この島は筑前大島とも呼ばれ、宗像七浦の一つとして、世界遺産に登録されている宗像大社中津宮や沖津宮遙拝所が存在します。
大島は、福岡県宗像市に位置する有人島で、響灘と玄界灘の境界部に面しています。大島の面積は約7.17平方キロメートルで、「筑前大島」とも呼ばれることもあり、宗像市に属する七つの湾の一つです。
大島のキャッチフレーズは「神守る島」であり、世界遺産にも登録された宗像大社の中津宮や、沖津宮遥拝所といった歴史的・文化的な観光地が存在します。
「うみんぐ大島」は、釣りやシーカヤックなどの海洋体験を楽しめる施設です。家族連れやアウトドア愛好者に人気のスポットで、透明度の高い海でアクティビティを満喫できます。また、地元のガイドによるツアーもあり、海の生態系や歴史について学ぶこともできます。
宗像大社中津宮は、世界遺産に登録された宗像大社の構成要素の一つであり、宗像三姉妹の二女であるタギツヒメが祀られています。歴史的にも重要な神社で、観光客だけでなく多くの参拝者が訪れる場所です。
御嶽神社は、中津宮の奥宮であり、かつて古代祭祀が行われていた聖地です。ここには「大島御嶽遺跡」が存在し、古代の宗教的な営みを今に伝えています。歴史を感じながら自然と調和した神聖な空間が広がっています。
島内で最も高い山が御嶽山です。標高は低いものの、頂上には展望台があり、絶景を楽しむことができます。島の全景を一望できるほか、晴れた日には玄界灘まで見渡すことができ、観光客に人気の展望スポットとなっています。
安倍宗任の墓所は、源義家に敗れた武将・安倍宗任が当地に流され、晩年を過ごしたとされる場所です。歴史好きな方にとっては、彼の人生の終焉を感じることができる貴重な場所です。
夢の小夜島は、大島の東側に位置する小さな島で、松の木に覆われた自然豊かな島です。この島は、干潮時のみ近寄ることができるため、特別な時間にしか訪れることができません。室町時代の連歌師である宗祇がこの地を訪れ、和歌に詠んだ歴史もあります。
「かんす海水浴場」は、夢の小夜島の近くにある美しい海水浴場です。透き通った海と白い砂浜が広がり、夏には多くの観光客が訪れます。家族連れや友人同士で楽しむことができるリラックススポットです。
大島の歴史や文化を深く知りたい方におすすめなのが「大島交流館」です。ここでは、大島や沖ノ島の歴史、文化、自然について展示が行われており、学びながら島の魅力を知ることができます。
沖津宮遥拝所は、世界遺産に登録された宗像大社の構成要素の一つです。ここからは、遠く沖ノ島にある沖津宮の御神体島を拝むことができます。遠く離れた場所からでもその神聖な空気を感じることができ、宗教的な深い歴史を体験することができる場所です。
「風車展望所」は、島内屈指の絶景スポットです。晴れた日には沖ノ島が見えることから、多くの観光客が訪れます。風が吹き抜ける心地よい場所で、自然の美しさを堪能することができます。
風車展望所の近くには、「下関要塞大島砲台跡」があります。ここには地下弾薬庫や観測所の跡が残されており、日本海海戦で戦死した者たちの慰霊碑も建てられています。歴史的な遺産としても貴重な場所であり、戦争の歴史を学ぶことができるスポットです。
「大島牧場」も風車展望所の近くにあり、ここでは乗馬体験が楽しめます。自然の中で馬と触れ合いながら、リラックスしたひとときを過ごすことができる観光スポットです。
神崎は、大島の北西部に位置する岬で、先端には旧陸軍省が設置した碑があります。歴史的なスポットであり、岬から見渡す景色は絶景です。自然と歴史が交差するこの場所は、観光客にとって興味深い場所となっています。
馬蹄岩は、神崎にある伝説的な岩です。この岩は、宗像大神が馬に乗り島々に飛び立ったという伝説にちなんで名付けられました。岩には、数多くの盃状穴が存在しており、神秘的な雰囲気を漂わせています。
大島灯台は、神崎の近くに位置する白亜の美しい灯台です。ここは景勝地として知られており、観光客に人気の写真スポットでもあります。大自然の中に立つ灯台は、海と空のコントラストが見事です。
大島灯台の近くには「三浦洞窟」があります。ここには隠れキリシタンの伝説が残っており、歴史的な興味深い場所です。洞窟内部は神秘的な雰囲気を持っており、訪れる人々に特別な体験を提供します。
大島は、宗像市本土側の神湊港から北西に約6.5kmの場所に位置し、面積は7.17km²で福岡県の離島の中で最大です。島の多くは丘陵地で起伏が激しく、中央部に御嶽(標高224m)という最高峰があります。島の東側には本土との間を結ぶ船が発着する大島港があり、フェリーターミナルや漁港が設置されています。
1889年(明治22年)に宗像郡大島村として村制を施行し、2005年3月28日に宗像市に編入合併されました。1905年の日本海海戦では、多くのロシア兵の遺体が大島に流れ着き、住民が丁寧に埋葬したと伝えられています。
1935年に下関要塞大島砲台が設置され、戦後もその遺構が残されています。また、2012年からは日本海海戦の戦没者を慰霊する日ロの共同慰霊祭が開催され、2013年には「日本海海戦・戦死者慰霊碑」が建立されました。
2017年(平成29年)には、中津宮と沖津宮遙拝所が「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の一部として世界遺産に登録されました。
島の御嶽山頂には、展望台と中津宮の奥宮である『御嶽神社』があります。古代には中津宮の祭祀場として使用されていました。また、港近くには宗像三女神の次女、多岐津姫命を祀る宗像大社『中津宮』があり、沖ノ島の沖津宮を拝する『沖津宮遙拝所』もあります。
大島は、安倍宗任が晩年を過ごした地としても知られ、九州オルレのコースにもなっています。また、島内には七夕伝説に関連する織姫彦星の社も存在します。
島内には数件の民宿や旅館があり、西海岸には大島キャンプ場もあります。
「みあれ祭」は、宗像大社の秋季大祭である田島放生会の始まりを告げる祭事であり、三女神が年に一度一緒に奉斎される貴重な機会です。
大島の産業は主に漁業が中心で、小規模な農業も行われています。特産品としては、甘夏、アカモク、海塩などが挙げられます。また、島の西側の大島牧場では黒毛和牛の飼育も行われています。
島内には県道541号線があり、フェリーターミナル周辺から内陸部を一周する道路があります。また、観光路線バス「グランシマール」や「みあれ号」が運行されており、フェリーターミナルではレンタサイクルの貸出も行われています。
九州本土の宗像市・神湊港から大島港までは、市営フェリー「フェリーおおしま」で約25分、旅客船「しおかぜ」で約15分です。運航状況については宗像市のウェブサイトにて確認が可能です。また、民営の海上タクシーも利用できます。