福岡県福岡市中央区に位置する柳橋連合市場は、博多の台所とも呼ばれる伝統的な市場です。住吉通りに面した入口を持ち、那珂川に架かる柳橋のたもと、左岸に位置しています。市場の歴史や現状について、詳しくご紹介します。
柳橋連合市場の設立は1918年7月に遡ります。当時、現在の博多区大浜にあった魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場の前身)で仕入れた鮮魚を販売する「明(あきら)市場」が発展し、他の店舗も次第に隣接して商店街を形成しました。戦時中は一時的に低迷しましたが、終戦後には闇市が立ち上がり、市場は急速に勢いを取り戻しました。
柳橋連合市場は、全長100mほどのアーケード付き通路に約50軒の小売店が並ぶ小売市場です。鮮魚店、海産物店、青果店、食肉店などが集まり、対面販売を行っています。北九州市小倉北区の旦過市場と並び称される市場で、一般消費者だけでなく、料亭や料理店、屋台の料理人など多くのプロフェッショナルも買い付けに訪れることが特徴です。
近年では、観光客も訪れるようになり、グルメ・旅番組でしばしば紹介されるなど、地元だけでなく広く知られる存在となっています。
戦後、各店舗を取りまとめて「柳橋連合」と称するようになり、1992年8月には任意組合の柳橋連合市場協同組合が設立されました。協同組合の正組合員店は、共同で取り扱い商品の全国宅配を行っており、市場全体として一体感のある運営がされています。
市場内の店舗は、百円ショップなど一部の店を除き、ほとんどの店が日曜・祝日を定休日としています。ただし、土曜日は営業しており、地元の方や観光客にとって利用しやすい運営がされています。
柳橋連合市場には、正組合員店舗が47店舗あります。以下に2007年8月時点での店舗数を示します。
柳橋連合市場では、定期的にイベントが開催され、地元の人々に親しまれています。主なイベントは以下の通りです。
これらのイベントでは、特売や特設ステージでのイベントが開催され、旬のアラ鍋も安価で提供されることが特徴です。また、近隣の小中学校から職場体験を受け入れるなど、地域との交流も大切にしています。
柳橋連合市場の周辺には、以下のような施設が存在します。
柳橋連合市場へのアクセスは非常に便利です。西鉄バスの柳橋バス停からすぐ近くにあり、福岡市地下鉄七隈線の渡辺通駅からも徒歩6分(約480m)で到着できます。
柳橋連合市場には、いくつかの文化的エピソードもあります。たとえば、氷川きよしが「うまかもん祭り」の第1回カラオケ大会で優勝したことがあり、また、AKB48の楽曲『恋するフォーチュンクッキー』のミュージック・ビデオの撮影地の一つとしても使用されました。
柳橋連合市場は、福岡の歴史と文化が息づく場所として、今も多くの人々に愛されています。訪れるたびに新しい発見があるこの市場に、ぜひ足を運んでみてください。