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旧 福岡県公会堂貴賓館

(きゅう ふくおかけん こうかいどう きひんかん)

旧福岡県公会堂貴賓館は、福岡県福岡市にある国の重要文化財に指定された建築物です。この歴史的建造物は、天神中央公園の中に位置し、福岡市の中心部に佇む美しいフレンチ・ルネッサンス様式の建築として知られています。

歴史と概要

来賓接待所としての建設

旧福岡県公会堂貴賓館は、1910年(明治42年)に第13回九州沖縄八県連合共進会の開催に伴い、来賓を接待するための施設として建設されました。開館時には閑院宮載仁親王と同妃智恵子が宿泊し、1912年(明治45年)には中国の革命家孫文や、皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)がこの貴賓館に滞在しました。さらに、1916年(大正5年)には陸軍特別大演習の本営としても使用されるなど、歴史的に重要な役割を果たしてきました。

戦後の利用と重要文化財の指定

太平洋戦争後、貴賓館は福岡高等裁判所や福岡県立水産高等学校、福岡県教育庁舎など、さまざまな公共施設として転用されました。貴賓館は、明治時代の希少なフレンチ・ルネッサンス様式を基調とする公共の木造建築物として高く評価され、1984年(昭和59年)5月に国の重要文化財に指定されました。

西方沖地震と復旧工事

2005年(平成17年)に発生した福岡県西方沖地震では、貴賓館の天井やガラス、壁などに大きな被害が生じましたが、復旧工事が行われ、2008年(平成20年)5月から再び一般公開が再開されました。この復旧により、貴賓館は再びその美しい姿を取り戻し、多くの訪問者にその歴史と建築美を伝えています。

建築の特徴

フレンチ・ルネッサンス様式のデザイン

旧福岡県公会堂貴賓館は、木造二階建ての建物で、その設計は福岡県の土木技師である三條栄三郎によるものです。建物はフレンチ・ルネッサンス様式のデザインが取り入れられており、当時の日本における西洋建築の影響を強く感じさせるものとなっています。この様式は、優雅で装飾的な外観が特徴であり、貴賓館はその代表的な建築物とされています。

利用情報

一般公開とアクセス

旧福岡県公会堂貴賓館は、現在一般公開されており、誰でもその美しい建築を見学することができます。アクセスも非常に便利で、福岡市地下鉄空港線の天神駅から徒歩8分(約660m)、西鉄天神大牟田線の西鉄福岡(天神)駅からは徒歩10分(約800m)の距離にあります。また、西鉄バスの「アクロス福岡・水鏡天満宮前」バス停からは徒歩5分(約380m)です。

関連建築物と設計者

三條栄三郎の他の作品

旧福岡県公会堂貴賓館を設計した三條栄三郎は、他にも「旧福岡県庁舎」や「福岡県立福岡高等学校」などの設計を手掛けています。これらの建物も、同様に日本における近代建築の発展を象徴するものとして評価されています。

まとめ

旧福岡県公会堂貴賓館は、その歴史的価値と美しい建築様式から、福岡市における重要な文化財として多くの人々に親しまれています。フレンチ・ルネッサンス様式の優雅なデザインと、歴史を感じさせる重厚な雰囲気は、訪れる人々に深い感動を与えます。福岡を訪れた際には、この貴賓館をぜひ一度訪れて、その歴史と美しさを堪能してください。

Information

名称
旧 福岡県公会堂貴賓館
(きゅう ふくおかけん こうかいどう きひんかん)

博多・天神・太宰府

福岡県