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南公園(福岡市)

(みなみ こうえん)

南公園は、福岡県福岡市中央区に位置し、福岡市動植物園とその周囲を含む広大な都市公園です。また、公園の一部を占める町丁の地名としても知られています。福岡市の中心地にありながら、閑静な照葉樹林が広がり、豊かな自然環境を誇っています。かつてこの地域の丘陵は「大休山(おおやすみやま)」と呼ばれていました。

南公園の概要

都市公園としての南公園

南公園は、全体で86.8ヘクタールの広さを持つ丘陵地帯で、周辺は住宅地に囲まれています。この地域にはかつて平尾浄水場があり、その名残として「浄水通り」や「平尾浄水町」などの地名が残っています。都市公園(総合公園)としての広義の南公園は、北部、中部、南部の3つのエリアに分かれています。

北部エリア

北部には無料の公園エリアが広がり、多くの桜が植えられており、福岡市内でも有名な花見スポットとなっています。また、丘陵地の地形を活かした散策コースがいくつか設けられており、自然を満喫しながらのんびりと過ごすことができます。中山記念碑もこのエリアにあり、歴史を感じながら散策ができます。

中部エリア

中部には福岡市動植物園が位置しています。動物園と植物園は一体として運営されており、家族連れや観光客に人気のスポットです。特に動物園エリアでは、さまざまな動物たちと触れ合える機会が提供されています。

南部エリア

南部には植物園があり、四季折々の植物が楽しめる美しい庭園が広がっています。植物園内には展望休憩所もあり、標高64メートルからの景色を楽しむことができます。

南公園の地名としての概要

「南公園」は福岡市中央区の地名の一つで、現行の行政地名としては「南公園」となっています。この地域の面積は19.15ヘクタールで、2023年4月末現在の人口は0人です。福岡市の都心である中央区天神から南南西約2.3キロメートルの場所に位置しており、桜坂や御所ケ谷、平尾浄水町、小笹などの地域と接しています。

都市計画と環境保全

都市計画の概要

南公園エリアは、「福岡市都市計画マスタープラン」に基づき、豊かな自然環境を保全しながら無秩序な開発を抑制する方針が掲げられています。主要な幹線道路である桜坂小笹線沿道は、商業・業務・サービス施設や中高層住宅が連続する「都市軸」に位置付けられており、バランスの取れた開発が進められています。

風致地区と特別用途地区

南公園一帯は風致地区「南公園地区」に指定されており、建築物の建築や宅地の造成、木竹の伐採などの行為に対する規制が設けられています。また、「福岡市南公園特別用途地区」として、建築物等の敷地や構造に関する制限も厳格に定められています。これにより、地域の自然環境が守られ、美しい景観が維持されています。

公園内施設と名所

有料エリアの施設

福岡市動植物園が有料エリア内に位置し、動物園や植物園の各施設を楽しむことができます。植物園内の展望休憩所からは、標高64メートルからの美しい眺めが広がり、訪れる人々を魅了しています。

無料エリアの名所

無料エリア内には、福岡市全体を一望できる南公園西展望台や、孫文の生誕百周年を記念して建立された中山記念碑など、歴史的な名所が点在しています。また、享保の大飢饉の際に福岡藩によって建立された飢人地蔵菩薩も、歴史を感じさせるスポットとして有名です。

交通アクセス

南公園へは、福岡市地下鉄七隈線の桜坂駅が最寄りの鉄道駅となっており、公共交通機関でもアクセスが容易です。また、西鉄バスも地域内で運行しており、桜坂小笹線沿いの「上智福岡中高前」や「小笹団地正門前」、薬院南公園線沿いの「動物園前」などの停留所が利用可能です。

まとめ

南公園は、福岡市の中心地にありながら、豊かな自然と歴史が感じられる場所です。都市公園としての役割に加え、地域の歴史や文化を象徴する名所が数多く存在し、市民や観光客に愛される場所となっています。交通アクセスも良好で、四季折々の自然を楽しみながら、歴史的な遺産を感じることができる南公園は、福岡市を訪れる際にはぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。

Information

名称
南公園(福岡市)
(みなみ こうえん)

博多・天神・太宰府

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