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鎮国寺

(ちんこくじ)

鎮国寺は、福岡県宗像市吉田に位置する真言宗御室派の別格本山であり、屏風山を山号としています。本尊は大日如来で、九州西国霊場第三十一番札所、九州八十八箇所霊場第八十八番札所、九州三十六不動霊場第三十四番札所、九州三十三観音霊場第一番札所として、多くの巡礼者が訪れる寺院です。鎮国寺は、かつて宗像大社の神宮寺としても機能していました。

鎮国寺の歴史

空海と鎮国寺の起源

寺伝によると、鎮国寺は空海(弘法大師)が第16次遣唐使船で唐に向かう途中、大暴風雨に遭遇した際にその起源を持ちます。空海が海の守護神である宗像三神に祈りを捧げたところ、波間に不動明王が現れ、右手に持っていた利剣で波を振り払い、嵐を鎮めました。このおかげで、空海は無事に唐に到着することができました。

鎮国寺の建立

空海が唐から帰国し、長安(現在の西安)で真言の秘法を授かった後、806年に博多に到着しました。帰国後、空海は宗像大社に礼参し、その際、屏風山の瑞雲を見て奥の院岩窟にて修法を始めました。その結果、空海は「この地こそが鎮護国家の根本道場たるべき霊地」というお告げを聞き、一宇を建立し、これを屏風山鎮国寺と名付けました。

御室派との関係

鎮国寺は、御室派仁和寺第50世門跡、立部祐道同派前管長の自坊でもあります。さらに、彼の父である立部瑞祐も御室派第43世門跡を務めていました。

鎮国寺の境内

立地と自然環境

鎮国寺は、宗像大社のすぐ東側、釣川を渡った小高い丘の上に位置しています。境内には多様な花木が植えられており、「花の寺」とも呼ばれています。この美しい自然環境が、訪れる人々を魅了します。

本堂と重要文化財

鎮国寺の本堂は、慶安3年(1650年)に福岡藩二代藩主の黒田忠之によって再建されました。また、4月28日のみ開帳される秘仏である木造不動明王立像は国の重要文化財に指定されています。さらに、五仏堂の仏像群も福岡県指定の文化財として保存されています。

鎮国寺の名物

宗像市の名物である饅頭「ちんこく」は、鎮国寺ゆかりのお菓子です。この饅頭は、鎮国饅頭の鼓家が製造・販売しており、地元や参拝者に親しまれています。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合

JR九州鹿児島本線東郷駅から、西鉄バス神湊波止場ゆきに乗車し、「宗像大社前」で下車します。そこから徒歩17分(約1.4km)で鎮国寺に到着します。

車を利用する場合

九州自動車道を利用する場合、若宮インターチェンジからは約17km、または古賀インターチェンジからは約16kmで鎮国寺にアクセス可能です。駐車場も完備されていますので、マイカーでの訪問も便利です。

Information

名称
鎮国寺
(ちんこくじ)

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