東公園は、福岡県福岡市博多区に位置する都市公園であり、また同名の行政地名でもあります。福岡県が管理するこの公園は、総合公園として地域住民や観光客の憩いの場となっています。公園の面積は25.05ヘクタールに及びます。
東公園は、福岡市の中心地である中央区天神から北東に約2.5キロメートル、博多区の北部に位置します。公園の北西側は福岡直方線を挟んで千代および馬出と接し、北東側は吉塚停車場線を挟んで馬出と接しています。東側は浜新建堅粕線(妙見通り)を挟んで吉塚本町と、南および西側は千代と隣接しています。
公園内には、福岡県庁、福岡県議会、福岡県警察本部、福岡市民体育館、千代小学校などの公共施設が多く集まっています。また、吉塚駅西側に面する浜新建堅粕線沿いには住宅や店舗が並んでおり、都市公園と住環境が調和した地域となっています。
東公園に関する都市計画では、福岡市都市計画マスタープランに基づき、幹線道路沿いには商業・業務施設や中高層住宅が連続する「沿道軸」として位置付けられています。福岡県庁や県営東公園を含むエリアは大規模施設が立地するゾーンとして指定されており、さらにその周囲には低層および中層住宅が混在する「低中層住宅ゾーン」が設定されています。
これらのゾーンは、住宅地と大規模施設の調和を図り、狭隘道路の改善なども視野に入れた街づくりが進められています。用途地域は、福岡直方線および東公園線の北西側や、浜新建堅粕線沿いが商業地域に指定され、その他のエリアは第一種住居地域に指定されています。公園全体が風致地区に指定されており、開発や建築には一定の制約が設けられています。
県営東公園は、福岡県内で最初の県営公園として1876年に設立されました。この公園の敷地は、かつて千代の松原の一部であり、1873年の太政官布告に基づき公園地として整備されました。当初は「東松原公園」として知られていましたが、1900年に「東公園」と改名され、県の管理下に置かれました。
この公園は、設立以来、地域の歴史とともに歩んできました。公園中心には亀山上皇の銅像があり、その周囲には福岡県の県花であるウメや県木のツツジが植えられ、風流な日本庭園として市民や県民に親しまれています。
東公園内には、日蓮宗の僧侶である佐野前励(日菅)が提唱し建設された日蓮聖人銅像が立っています。この像は高さ10.6メートルを誇り、市の指定文化財となっています。像の設計は、東京美術学校の岡倉天心に依頼され、竹内久一が原型を制作しました。また、日蓮聖人銅像護持教会の敷地内には元寇史料館があり、元寇に関連する史料や武具、日蓮宗に関連する資料を展示しています。
東公園へのアクセスは非常に便利です。福岡市交通局が運営する地下鉄箱崎線が地区の北側を通り、次の駅があります。
また、西日本鉄道株式会社が運行する西鉄バスが公園周辺を走っており、「県庁前」や「警察本部前・九大病院入口」などの停留所があります。
自動車で訪れる場合、福岡高速環状線や福岡高速1号香椎線を利用するのが便利です。最寄りの出入口は「呉服町出入口」や「千代出入口」などがあります。