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福岡東洋陶磁美術館

(ふくおか とうよう とうじ びじゅつかん)

福岡東洋陶磁美術館は、福岡県福岡市城南区七隈に位置する美術館です。この美術館は、1999年4月に開館し、中国、朝鮮、日本の古陶磁を中心に展示しており、福岡市内外から多くの訪問者を迎えています。

美術館の概要

展示内容の特徴

福岡東洋陶磁美術館では、中国・朝鮮・日本における古陶磁の歴史を体系的に展示しています。茶陶や煎茶器、文房具の飾り、そして茶室や日本庭園も収容しており、来館者は歴史的な陶磁器の美しさをじっくりと鑑賞することができます。展示されている作品は、彩陶から清代に至る中国の陶磁器、高麗から李朝時代の朝鮮の陶磁器、縄文から江戸時代に至る日本の陶磁器と、多岐にわたります。これらのコレクションは、福岡大学の創立者である溝口梅太郎の息子、溝口虎彦氏が収集したものであり、その豊富さと質の高さが特徴です。

福岡大学との関係

美術館は福岡大学に近接しており、福岡大学の創立記念日である5月21日や敬老の日、文化の日には入館料が無料となります。ただし、8月と2月には展示作品の入れ替えのため、長期の休館期間が設けられているため注意が必要です。

展示内容の詳細

中国・朝鮮陶磁

美術館では、中国および朝鮮の陶磁器を幅広く展示しています。中国の陶磁器としては、灰陶加彩獣面文鬲や加彩婦人俑、青花花鳥文大皿、五彩宝相華唐草文飄瓶などが展示されています。これらは紀元前2100年から1600年の夏家店下層文化から唐時代、明時代に至るまでの歴史的な作品です。

朝鮮の陶磁器には、青磁鉄絵草文梅瓶や青磁象嵌蒲柳文水注、白磁辰砂葡萄文壺、粉引花入など、高麗時代から李氏朝鮮時代の代表的な作品が含まれています。これらの作品は、それぞれの時代と地域における技術と美意識を反映しており、その繊細な装飾や色彩が特徴です。

日本陶磁

日本の陶磁器もまた、豊富なコレクションが揃っています。古九谷青手花鳥図平鉢や姫谷色絵山水図皿、色絵紅葉流水文皿など、江戸時代の優れた作品が多数展示されています。これらの作品は、江戸時代中期から後期にかけての日本の陶磁技術の発展を物語っています。

特に、伊万里・柿右衛門様式の色絵狛犬や色絵金襴手赤玉雲龍文鉢、色絵花卉文壺など、色鮮やかな装飾が施された作品は、訪れる人々に強い印象を与えます。また、茶道具としての茶入や茶碗、水指、花入、香合、向付など、茶の湯の文化を感じさせる展示も充実しており、瀬戸、唐津、伊羅保などの名品が揃っています。

日本庭園と茶室

日本庭園

美術館のロビーから外に広がる日本庭園は、手入れの行き届いた美しい空間です。この庭園は、訪れる人々に都会の喧騒から離れた安らぎのひとときを提供してくれます。四季折々の風景を楽しむことができ、庭園の景色はまさに芸術作品の一部と言えるでしょう。

茶室

同じフロアには「茶室」が併設されており、一般の方も利用することができます。茶陶の名品を鑑賞した後に、この茶室での茶会を楽しむことができるのも、福岡東洋陶磁美術館ならではの魅力です。落ち着いた空間でのひとときは、日常を忘れさせてくれることでしょう。

利用案内

開館時間と休館日

福岡東洋陶磁美術館の開館時間は午前10時から午後5時までで、入館は午後4時30分までに行う必要があります。休館日は日曜・祝祭日・年末年始のほか、臨時休館日も設けられており、1月・2月および7月・8月は展示作品の入れ替えのため休館します。

入館料

入館料は以下の通りです:

敬老の日、文化の日、福岡大学創立記念日(5月21日)には、入館料が無料になりますので、この機会に訪れるのもおすすめです。

アクセス

福岡東洋陶磁美術館は、交通の便が非常に良く、福岡市地下鉄七隈線の七隈駅1番出口から徒歩1分という好立地にあります。また、西鉄バスの「七隈四つ角」バス停からも徒歩2分でアクセス可能です。自家用車を利用する場合は、福岡高速環状線の野芥出入口から約2kmの距離に位置しています。

福岡東洋陶磁美術館の訪問をおすすめします

福岡東洋陶磁美術館は、中国・朝鮮・日本の古陶磁の美しさと歴史を深く知ることができる貴重な場所です。豊富なコレクションと、美しい日本庭園、そして茶室での茶会を通じて、心静かに過ごすひとときをお楽しみいただけます。ぜひ一度、この美術館を訪れて、東アジアの陶磁器の魅力を存分に味わってみてください。

Information

名称
福岡東洋陶磁美術館
(ふくおか とうよう とうじ びじゅつかん)

博多・天神・太宰府

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