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新宮町

(しんぐうまち)

新宮町は、福岡県糟屋郡に位置し、福岡市の東部に隣接する町です。福岡都市圏の一部であり、福岡市への通勤者が多く、住民の43.9%が福岡市内で働いています。この割合は新宮町内で働く人の割合(40.2%)よりも高く、福岡市への依存度が高い地域といえます。そんな新宮町には、豊かな自然と歴史的な名所が数多くあり、訪れる人々に様々な魅力を提供しています。

新宮町の概要

新宮町は福岡市に隣接しているものの、1990年代までは緩やかな人口増加を示し、長い間人口は1万人台にとどまっていました。2000年代に入っても人口は2万人弱で微増傾向でしたが、2010年代に入り、特に新宮中央駅周辺やNTT社宅跡地(杜の宮)などでの宅地開発が進み、2015年5月にはついに人口が3万人を突破しました。2015年の国勢調査では、人口増加率が22.9%を記録し、全国の市町村の中で1位を記録するなど、近年急速な発展を遂げている町です。

新宮町の地理と自然環境

新宮町は福岡県の北西部に位置し、北西部は玄界灘に面しています。町の海岸線は玄海国定公園に指定されており、豊かな自然が広がっています。玄界灘の沖合いには相島(あいのしま)という小さな島があり、島全体が自然の宝庫として知られています。また、町の南東部には立花山(たちばなやま)があり、その美しい風景とともに、歴史的な名所としても有名です。これらの自然景観は、新宮町を訪れる観光客にとって大きな魅力の一つとなっています。

名所・旧跡と観光スポット

立花山と立花山城跡

立花山は標高367メートルの山で、その山頂にはかつて立花氏の居城であった立花山城の跡があります。戦国時代、この城は立花氏の重要な拠点として機能していました。現在では、城跡は散策路として整備されており、登山者や歴史愛好家に人気のスポットとなっています。山頂からは福岡市街や玄界灘を一望することができ、美しい景色を楽しむことができます。

横大路家住宅(千年家)

横大路家住宅、通称「千年家」は、九州最古級の古民家建築として知られています。この住宅は江戸時代前期(17世紀半ば)に建てられたとされ、現在は国の重要文化財に指定されています。茅葺屋根の曲家で、独特のL字型の構造が特徴です。長い歴史の中で大切に守られてきた「法火(ほっか)」と呼ばれる火を絶やすことなく継承し続けており、その歴史的価値は非常に高いものです。毎年4月13日には、毘沙門天像の御開帳が行われ、地元の人々や観光客で賑わいます。

相島(あいのしま)

相島は、新宮町の沖合い約7キロメートルに位置する小さな島です。猫の多い島としても知られ、猫好きの観光客に人気があります。また、島内には国の史跡に指定されている「相島積石塚群」や「鼻栗瀬(はなくりせ)」といった歴史的な遺構が点在しています。積石塚群は、古墳時代に築かれたもので、石を積み上げて作られた墓が特徴です。島全体が豊かな自然と歴史に包まれており、散策や観光に最適なスポットとなっています。

新宮海水浴場

新宮海水浴場は、玄界灘に面した美しいビーチです。夏季には多くの海水浴客で賑わい、海水浴やバーベキュー、マリンスポーツなど、様々なアクティビティを楽しむことができます。海岸沿いにはキャンプ場やバーベキュー施設も整備されており、家族連れや友人同士でのレジャーに最適です。夕暮れ時には美しい夕日が海に沈む様子を楽しむことができ、ロマンチックな時間を過ごせるスポットでもあります。

人丸神社

人丸神社は、万葉歌人である柿本人麻呂を祀る神社です。社殿は江戸時代に建てられ、静かで厳かな雰囲気が漂っています。境内には、万葉集に詠まれた歌碑が建てられており、歴史や文学に興味のある人にとっては見逃せない場所です。毎年9月には「人丸神社例大祭」が行われ、地元の人々や観光客で賑わいます。この祭りでは、伝統的な舞や神楽が奉納され、新宮町の歴史と文化を感じることができます。

新宮町の歴史

新宮町には、古代から続く長い歴史があります。町内には、初期の刻目突帯文土器である夜臼式土器の標式遺跡「夜臼遺跡」があり、古代の人々の暮らしを知る貴重な手がかりとなっています。奈良・平安時代には宗像郡席内郷に属していましたが、その後糟屋郡に編入されました。戦国時代には、立花氏の領土として発展し、立花山城が築かれました。

近現代の新宮町

1889年(明治22年)4月1日、町村制施行により、的野村・立花口村・原上村・三代村が合併して立花村、上府村・下府村・湊村・新宮村・相島村が合併して新宮村が誕生しました。1954年(昭和29年)11月1日には、新宮村が町制を施行し、新宮町となりました。翌年、1955年(昭和30年)4月1日には立花村と新宮町が対等合併し、現在の新宮町が発足しました。1997年(平成9年)12月26日には、福岡市と境界の変更が行われ、現在の形となっています。

アクセス情報

新宮町は交通アクセスが便利で、福岡市内からのアクセスも容易です。以下に新宮町へのアクセス方法を紹介します。

公共交通機関を利用する場合

JR利用:JR新宮中央駅または西鉄新宮駅を利用することができます。新宮中央駅からは徒歩で町内の各所へアクセス可能です。また、町内を巡回するコミュニティバス「相らんど線」も便利です。

バス利用:天神日銀前から西鉄バス赤間急行線に乗車し、「上の府太郎丸」で下車、徒歩約10分(800m)で新宮町の中心部に到着します。

車を利用する場合

福岡市内から:国道3号線または福岡都市高速道路を利用し、新宮町方面へ向かいます。約30分ほどで到着します。

北九州市内から:九州自動車道を利用し、古賀インターチェンジで降りて約10分。福岡市内からは1時間ほどでアクセスできます。

まとめ

新宮町は福岡市のベッドタウンとしての側面を持ちながら、豊かな自然環境や歴史的な名所が数多く存在する魅力的な地域です。立花山や相島、歴史的建造物である千年家など、見どころは多岐にわたります。近年の急速な発展により、アクセスも向上しており、観光客にも訪れやすい環境が整っています。福岡都市圏に住む方々や、旅行者にとって新たな発見ができる町として、今後ますます注目されることでしょう。

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新宮町
(しんぐうまち)

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