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北九州市漫画ミュージアム

(きたきゅうしゅうし マンガ)

北九州市漫画ミュージアムは、福岡県北九州市小倉北区浅野二丁目にある、あるあるCityという商業施設の5階・6階に位置する漫画博物館です。2012年8月3日に開館し、漫画文化の魅力を国内外へ広める拠点として機能しています。北九州にゆかりのある漫画家の原画を中心に約10万点の漫画原画を所蔵し、過去から現代までの人気作品を含む約7万冊の漫画資料も保管されています。

施設の設立と目的

北九州市漫画ミュージアムは、地元ゆかりの漫画家や作品を中心に収集・保存し、漫画文化の魅力を広く伝えることを目的として設立されました。館内は「見る」「読む」「描く」の3つのテーマで構成され、常設展示や企画展示を通じて、訪れる人々に漫画の特性や魅力を伝える役割を果たしています。

「見る」ゾーン

このゾーンでは、北九州市ゆかりの漫画家の紹介や、漫画の歴史、独特な表現方法、流通の仕組みなどが展示されています。来館者は、漫画の奥深い世界について学ぶことができます。

「読む」ゾーン

約7万冊におよぶ漫画資料を自由に閲覧できるゾーンです。過去の代表的な作品から現代の人気作品まで、幅広い漫画を楽しむことができ、訪問者は館内でリラックスして読むことができます。ただし、貸し出しは行われていません。

「描く」ゾーン

プロの道具を使って漫画を描く体験ができる「漫画体験」や、プロの漫画家を講師に招いた「漫画スクール」などのイベントも開催されており、初心者から経験者まで楽しめる学びの場となっています。

北九州市漫画ミュージアムの歴史

北九州市漫画ミュージアムは、開館以来多くのイベントや展示を通じて漫画文化の発展に寄与してきました。その歴史を以下に簡潔にまとめます。

2012年

8月3日、北九州市漫画ミュージアムが名誉館長松本零士を迎え、開館しました。同年から「漫画体験」や「漫画スクール」がスタートし、多くの漫画愛好者が訪れました。

2013年

8月3日には開館1周年を記念して「キャプテンハーロック復活祭」特別トークショーが開催され、8月16日には累計来場者数が10万人を突破しました。同年12月6日から、西日本新聞北九州版でコラム「出会い探検マンガミュージアム」が連載開始されました。

2022年

4月1日、わたせせいぞう氏が名誉館長に就任し、8月3日には開館10周年を迎え、これを祝うさまざまなイベントが開催されました。

北九州市漫画ミュージアムでの主なイベント

漫画体験

月に2回開催される漫画体験教室では、模写やぬり絵、漫画アシスタント体験など、初心者から楽しめるプログラムが用意されています。

漫画スクール

プロの漫画家が講師を務める体験教室が月に2回行われ、漫画の描き方を本格的に学ぶことができます。参加者は基本的な技術から応用までを学び、実際に自分の作品を仕上げることが可能です。

ギャラリーツアー

年に4回ほど、企画展示に併せて学芸員によるギャラリートークが開催され、常設展示や企画展示を深く楽しむことができます。

漫画読書会

奇数月の第三金曜日には、漫画について語り合う読書会が開催され、参加者同士が交流し、漫画に関する知識や感想を共有する場となっています。

北九州市の文化的背景と漫画家の誕生

北九州市は、明治期に官営八幡製鐵所が創業して以降、多様な文化が交差する地域となりました。門司港が国際貿易港として栄え、国内外から様々な物や情報が集まることで、文化の交流が盛んになりました。戦後は貸本屋や映画館が多く存在し、芸術文化が育つ環境が整っていたことから、多くの著名な漫画家が誕生しました。

北九州出身の漫画家

松本零士氏、わたせせいぞう氏、畑中純氏、陸奥A子氏、北条司氏など、多くの漫画家が北九州出身です。これらの作家やその作品は、北九州の大切な文化遺産であり、次世代へ伝え続ける重要な財産となっています。

北九州市漫画ミュージアムの役割と未来

漫画は、絵・文字・コマ割りという要素を通じて情報を伝達するメディアとして、情報読取能力(メディアリテラシー)を育てるとともに、想像力や表現力を高める役割を持っています。北九州市漫画ミュージアムは、地元ゆかりの漫画家や作品を通じて、漫画文化の研究・保存・発展に取り組んでおり、その成果を展示や体験を通じて次世代へと伝えています。

次世代への文化継承

このミュージアムは、子供から大人まで幅広い世代が集う場として、漫画を通じた感性教育や文化の発信地となっています。北九州市の個性や魅力を育む拠点として、今後もその役割を果たし続けていくことでしょう。

Information

名称
北九州市漫画ミュージアム
(きたきゅうしゅうし マンガ)

北九州・門司・小倉

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