門司港駅は、福岡県北九州市門司区に位置し、九州の玄関口として知られてきた歴史的な駅です。九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線の駅であり、その駅舎は日本の重要文化財にも指定されています。観光地としても大変人気があり、多くの観光客が訪れます。本記事では、門司港駅の歴史や観光スポットとしての魅力について詳しくご紹介します。
門司港駅は、1891年(明治24年)に「門司駅」として開設されました。九州鉄道の起点として開業し、九州と本州をつなぐ交通の要所として発展しました。特に、1901年に関門連絡船が就航したことで、本州との鉄道連絡が強化され、多くの旅客と貨物がこの駅を通過しました。
その後、1914年に現在の駅舎が完成し、九州の鉄道の玄関口としての地位を維持しました。しかし、関門トンネルの開通に伴い、門司駅は「門司港駅」と改称され、以後は主に旅客輸送に焦点を当てるようになりました。現在では、その重要文化財に指定された駅舎が、過去の輝かしい歴史を物語っています。
門司港駅の駅舎は、歴史的価値が非常に高く、1988年に重要文化財に指定されました。日本で現役の駅舎が重要文化財に指定されているのは、この門司港駅と東京駅(丸の内駅舎)のみであり、その独自性が光ります。また、門司港駅の復原・耐震工事が2019年に完了し、開業当初の美しい姿を取り戻しました。復原工事後は、多くの観光客がその美しい姿を見に訪れるようになり、観光スポットとしての人気が高まっています。
門司港駅周辺には「門司港レトロ」という観光エリアが広がっており、ここは歴史的な建物やモダンな施設が融合した美しい街並みが特徴です。訪れた観光客は、ノスタルジックな雰囲気を楽しむことができ、門司港駅と一緒に散策するのが一般的な観光コースとなっています。
このエリアでは、旧門司三井倶楽部や旧門司税関、門司港レトロ展望室など、多くの歴史的建造物を見学できます。特に旧門司三井倶楽部は、アルベルト・アインシュタインが滞在した場所としても有名で、その歴史的背景も観光客にとって興味深いものとなっています。また、門司港レトロ展望室からは、関門海峡や門司港の街並みを一望でき、その景色は絶景です。
門司港駅からは、観光列車「トロッコ列車」が運行されています。平成筑豊鉄道が運営する「門司港レトロ観光線」のトロッコ列車は、旧門司港運転区の線路を再利用したもので、観光客に人気です。この列車は、門司港駅周辺の観光スポットを巡り、鉄道ファンや家族連れにも好評です。
門司港駅周辺には、多くのレストランやカフェが点在しており、観光の合間に立ち寄ることができます。特に門司港名物の「焼きカレー」は、訪れた観光客に大人気のグルメです。カレーを鉄板で焼き上げた独特の料理は、香ばしい香りと味わいが魅力です。また、門司港駅近くにはショッピングエリアもあり、地元の特産品やお土産を購入することができます。
門司港駅は、歴史的建造物としての価値だけでなく、観光拠点としての役割も果たしています。近年、北九州市議会は初代門司駅の遺構保存に関する予算を議決しており、門司港エリア全体の観光価値がさらに向上することが期待されています。また、国際的なNPOであるイコモスも門司港駅の遺跡再検証を求めており、文化遺産としての保存活動が今後も続けられる見込みです。
門司港駅は、九州と本州をつなぐ鉄道の歴史と共に歩んできた、重要な文化遺産です。駅舎の美しい建築や、周辺の観光スポットである「門司港レトロ」など、見どころが豊富であり、訪れる価値があります。また、観光列車や地元のグルメを楽しみながら、歴史を感じることができる場所でもあります。今後も文化財としての保存が進む中で、ますます注目される観光スポットとなるでしょう。