門司電気通信レトロ館は、福岡県北九州市門司区浜町に位置する歴史的建造物です。この館は、NTTが所有する電話機や通信機器などを展示する企業博物館として利用されています。歴史あるこの施設では、通信技術の発展を垣間見ることができ、無料で一般公開されています。
門司電気通信レトロ館の建物は、1924年(大正13年)に逓信省門司郵便局電話課庁舎として建設されました。設計は逓信省営繕課の技師であった山田守によるもので、この建物は後に門司電報電話局、さらにはNTT西日本門司営業所として使用されていました。現在では営業所としての役割を終えましたが、NTT西日本は北九州市の門司港レトロ事業に協力し、建物の保存と1階部分の一部を電話機や交換機の歴史展示館として開放しています。
2009年(平成21年)2月6日、門司電気通信レトロ館の建物および所蔵物が、近代化産業遺産続33(17通信 - 北九州市の通信技術関連遺産)に認定され、通信技術の歴史的価値を再確認する重要な施設として評価されました。
館内では、明治4年(1871年)に使用されたモールス印字電信機をはじめ、明治・大正・昭和を通じた多くの電信・電話機器が展示されています。特に、公衆電話や携帯電話の歴史を学べるコーナーもあり、一般の方にも親しみやすい展示内容となっています。また、非公開ですが、自動交換機などの通信機器も保存されています。
このコーナーでは、グラハム・ベル電話機(復元)や、国産第1号の電話機など、明治から現代に至るまでの電話機の進化を紹介しています。貴重な電話機の数々が並べられており、通信技術の変遷を感じることができます。
街角やお店に設置され、多くの人に利用されてきた公衆電話の歴史を学べるコーナーです。時代ごとの公衆電話のモデルが展示されており、希少なモデルも見られます。
日本の近代化とともに発展した電信・電報の歴史を展示。明治2年(1869年)に誕生した電信技術の進歩や、当時使用されていた機器が展示されています。
携帯電話の初期モデルからスマートフォンまでの進化の過程を展示しています。移動通信技術の発展を時代の流れに沿ってご覧いただけます。
1926年(大正15年)に東京・京橋分局で初めて導入されたA形自動交換機や、横浜電話局で設置されたH形自動交換機が展示されています。これらは、通信技術の進化を体感できる貴重な展示品です。
門司電気通信レトロ館では、展示を見るだけでなく、実際に通信技術を体験できるコーナーが充実しています。以下に、その体験コーナーを紹介します。
磁石式手動交換機を使って、実際に電話機のハンドルを回し、電気を発生させることで、交換手や通話相手との会話を体験できます。この体験を通じて、電話通信の仕組みを楽しく学ぶことができます。
実際にモールス信号機を使って、「トン」「ツー」というモールス信号を打つ体験ができます。画面を見ながら、本物の電鍵を使って通信技術の一端に触れることができ、子供から大人まで楽しめる内容です。
災害時に役立つ公衆電話の使い方や、「災害用伝言ダイヤル(171)」の利用方法を学ぶことができるコーナーです。緊急時に備えた知識を学べる貴重な体験ができます。
昔懐かしいダイヤル式電話機を実際に操作し、電話をかける体験が可能です。古き良き時代の通信機器に触れることができ、世代を超えた楽しみを提供しています。
門司電気通信レトロ館には、フォトジェニックなスポットもあります。日本最初の公衆電話ボックス(復刻版)が展示されており、記念撮影にぴったりの場所となっています。歴史ある電話機や公衆電話機とともに、思い出の一枚を残すことができます。
門司電気通信レトロ館では、貴重な通信機器の数々が保存されています。以下は、その一部です。
門司電気通信レトロ館へは、以下の交通手段でアクセスできます。