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宮若市石炭記念館

(みやわかし せきたん きねんかん)

宮若市石炭記念館は、福岡県宮若市にある博物館で、石炭鉱業の歴史や資料を展示しています。この記念館は、かつて筑豊炭田を代表する炭鉱であった貝島炭礦の歴史を今に伝える役割を果たしており、石炭産業が地域社会や日本全体に与えた影響を詳しく知ることができます。

施設の概要

宮若市石炭記念館は、1977年(昭和52年)に開館しました。建物は、かつて貝島炭礦が設立した私立学校「大之浦小学校」の校舎をそのまま利用しており、旧大之浦小学校の教室を再現した展示も特徴のひとつです。展示内容は、貝島炭礦で使用されていた機器や模型、歴史的な写真などを中心に構成されています。

「貝島炭鉱創業之地」の碑

記念館の外には、「貝島炭鉱創業之地」の碑が立っています。貝島炭礦は、旧宮田町の経済を支えた重要な存在であり、その歴史を振り返るためのモニュメントとして設置されています。碑の周囲には、かつての炭鉱で働いた人々の記録やエピソードも展示されています。

旧大之浦小学校

宮若市石炭記念館の建物は、かつて貝島炭礦が設立した私立学校である大之浦小学校の校舎を再利用しています。この校舎は、当時の教育施設としての役割を果たしており、現在も教室が再現され、当時の学びの風景を感じることができる展示があります。

展示の内容

器材展示室

「器材展示室」では、貝島炭礦で実際に使用されていた鉱山道具が展示されています。ツルハシやノコなど、石炭の採掘に使用された貴重な道具の数々が並び、当時の作業の様子や技術がどのように発展してきたかを知ることができます。

写真展示室

「写真展示室」には、炭鉱の風景や閉山時の様子を記録した写真が展示されています。これらの写真は、貝島炭礦がどのように地域社会に影響を与え、最終的に閉山に至るまでの歴史的な瞬間を伝えています。

絵画展示室

「絵画展示室」では、自由美術協会に所属した村島定児氏や、炭鉱技術者であり画家でもあった山近剛太郎氏による絵画が展示されています。これらの作品は、炭鉱での採掘現場を描いた油絵や版画で、労働者の姿や炭鉱の風景がリアルに描かれています。炭鉱労働者の日々の生活や過酷な労働環境を視覚的に感じ取ることができる展示となっています。

貝島私学展示室

「貝島私学展示室」では、貝島炭礦が設立した私立小学校に関する資料が展示されています。記念館の建物そのものが旧大之浦小学校を再利用していることもあり、当時の教育環境を再現した教室や、設立当時の記録、写真が紹介されています。貝島炭礦の社会的貢献や、教育への熱意がうかがえる内容です。

アルコ22号機関車

記念館の屋外には、かつて炭鉱で使用されていた蒸気機関車「アルコ22号」が展示されています。この機関車は、四角いタンクの形状から「弁当箱」と呼ばれ、地元の人々に親しまれていました。アルコ22号は、宮若市指定の近代化遺産に登録されており、かつての石炭輸送の様子や炭鉱の物流を物語る貴重な遺産です。

宮若市石炭記念館の歴史的背景

宮若市石炭記念館は、かつての炭鉱都市として栄えた宮若市の歴史を今に伝える重要な施設です。筑豊炭田は、日本のエネルギー産業の中心的存在であり、明治から昭和にかけて、石炭は国内外での産業発展を支える重要な資源でした。宮若市も例外ではなく、貝島炭礦は地域経済を支え、数多くの労働者を雇用していました。

炭鉱が閉山した後も、その歴史や技術を後世に伝えるために、この記念館が設立されました。記念館は、石炭産業が地域にもたらした影響や、炭鉱で働いた人々の労働や生活の様子を後世に伝えるための場所として機能しています。

利用案内

開館時間

宮若市石炭記念館は、9:00から17:00まで開館しています。来館者は、この時間帯に自由に見学を楽しむことができます。

休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、木曜日の午後、年末年始(12月28日から翌年1月3日まで)は休館となっています。訪問を予定している方は、休館日を確認のうえ訪問されることをおすすめします。

入館料

入館料は無料です。多くの方々に、貴重な石炭産業の歴史を気軽に学んでもらえるよう、無料での見学が可能となっています。

アクセス情報

宮若市石炭記念館は、宮若市内の交通アクセスが比較的良好な場所に位置しており、車や公共交通機関を利用してのアクセスが可能です。詳細なアクセス情報は、公式ウェブサイトや観光案内所で確認することができます。

おわりに

宮若市石炭記念館は、福岡県宮若市の石炭産業の歴史を学び、過去の産業遺産に触れることができる貴重な施設です。展示内容は、炭鉱の歴史を豊富な資料や写真、絵画、機器を通じて紹介しており、訪れる人々に深い歴史的な理解を促します。地域社会や日本のエネルギー産業における石炭の役割を学び、過去の炭鉱労働者の生活や労働環境に思いを馳せることができる場所として、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
宮若市石炭記念館
(みやわかし せきたん きねんかん)

筑豊・行橋

福岡県