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行橋赤レンガ館

(ゆくはし あかレンガかん)

行橋赤レンガ館は、福岡県行橋市に位置し、歴史的建築物として知られる旧百三十銀行行橋支店をリノベーションした施設です。この建物は、大正時代の名建築家である辰野金吾の監修によって建てられ、現在もその優雅な外観と歴史的価値を誇っています。市民に愛され、カフェやギャラリーとして活用されており、訪れる人々に文化と歴史の魅力を伝えています。

歴史的背景

行橋赤レンガ館の前身である旧百三十銀行行橋支店は、1914年(大正3年)に建設されました。当時、大阪に本店を構えていた第百三十国立銀行の支店として、辰野金吾が監修したもので、清水組(現在の清水建設)が設計と施工を担当しました。ルネッサンス様式にセセッション風のデザインが融合した、シンプルでモダンな建築物として高い評価を受けています。

この建物は、1998年(平成10年)に行橋市が買収し、その後2001年から2002年にかけて復元作業が行われました。福岡県に現存する最古の銀行建築として、2003年2月5日には福岡県指定有形文化財に指定され、地域の歴史的シンボルとなっています。

建築の特徴

行橋赤レンガ館の建物は、2階建てに見えますが、実際には内部は天井が高い吹き抜け構造になっており、開放的な空間を感じられる作りになっています。2階に見える部分には回廊が巡らされ、訪れた人々が建物の歴史を感じながら散策することができます。また、螺旋階段が備えられており、建築当時の技術の高さがうかがえます。

内部には、当時のカウンターや応接室がそのまま残されており、建物の奥には金庫室も見ることができます。竣工時の写真や設計図、棟札なども展示されており、設計者や施工者の功績を伝える貴重な資料も充実しています。この建物は、大正時代の銀行建築を代表する一つとして、その歴史的価値が非常に高いとされています。

現代の利用と市民ギャラリーとしての活用

現在、行橋赤レンガ館は「市民ギャラリー」として、手芸作品や絵画、写真などの展示が行われる場所となっています。展示は定期的に入れ替わり、市民や観光客が芸術作品を楽しむことができる空間として親しまれています。特に、地元のアーティストたちによる作品展示は、多くの来館者を魅了しています。

また、館内には「赤レンガ・カフェ」が併設されており、訪れる人々にコーヒーやジュース、焼き菓子を提供しています。大正ロマンあふれる建物の中で、ゆったりとした時間を過ごすことができるのが大きな魅力です。観光の合間に一息つきながら、この歴史的な建物の雰囲気を堪能するのもおすすめです。

文化財としての価値

行橋赤レンガ館は、福岡県の有形文化財として正式に登録されており、その保存と活用が進められています。大正時代の建築技術を今に伝える貴重な建造物であり、辰野金吾が手掛けた建築物の一つとして、その歴史的価値は極めて高いです。特に、同時期に設計された東京駅や日本銀行本店と比較されることも多く、訪れる人々に日本の近代建築の発展を感じさせます。

訪問時のご案内

行橋赤レンガ館は観光客にも地元の方々にも開かれた施設で、入館料は無料です。また、ギャラリーとして貸し切る場合には利用料が発生します。開館時間は10時から18時までで、火曜日が休館日となっています(祝日の場合は翌日が休館日となります)。さらに、年末年始やお盆期間中もお休みとなるため、訪問の際は事前に確認することをおすすめします。

アクセスは、JR九州日豊本線の行橋駅から徒歩10分と、非常に便利な立地です。車で訪れる場合は、東九州自動車道の行橋インターチェンジから約7分と、こちらもアクセスしやすい場所にあります。駐車場は、向かい側にある市の複合施設「リブリオ行橋」の駐車場が利用でき、3時間まで無料となっています。

行橋赤レンガ館での特別な体験

行橋赤レンガ館を訪れることで、歴史ある建築物を通じて日本の近代建築の魅力に触れることができます。また、ギャラリーやカフェの利用を通じて、日常の中にある芸術や文化を身近に感じることができるでしょう。特に、館内で提供されるコーヒーを片手に、ゆったりとした時間を過ごすことは、観光の合間に贅沢なひとときとなるはずです。

ぜひ行橋市にお立ち寄りの際は、この赤レンガの美しい建物で、大正時代のロマンを感じるカフェタイムをお楽しみください。

Information

名称
行橋赤レンガ館
(ゆくはし あかレンガかん)

筑豊・行橋

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