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内田三連橋梁

(うちだ さんれん きょうりょう)

内田三連橋梁は、福岡県田川郡赤村大字内田にある平成筑豊鉄道田川線の鉄道橋であり、地元では「みつあんきょ」とも呼ばれています。この橋梁は歴史的価値が高く、1999年(平成11年)に国の登録有形文化財に登録されました。

概要

内田三連橋梁は、平成筑豊鉄道田川線の赤駅 - 内田駅間に所在する全長13メートル、スパン長3.35メートルの三連アーチ橋です。この橋は1895年(明治28年)8月に竣工し、同年8月15日から供用が開始されました。設計を担当したのは野辺地久記で、基本計画にはドイツ人技師のヘルマン・ルムシュッテルも関与しており、当時の技術力を結集した構造となっています。

橋梁の構造とデザイン

内田三連橋梁は、その構造が非常に特徴的です。内田川の下流(橋梁西)側は煉瓦積み構造で、上流(橋梁東)側は切石積みという異なる積み方が採用されています。特に煉瓦積みの部分には、将来の複線化に対応するために「げた歯構造」と呼ばれる工法が使われており、レンガを交互に突き出させて積むことで、独特の縞模様や市松模様が生まれています。このようなデザインは、当時の技術者たちの工夫がうかがえる点です。

文化的価値と登録有形文化財

内田三連橋梁は、福岡県の中でも重要な歴史的建造物として評価されています。1999年(平成11年)11月18日に、国の登録有形文化財に指定されました。明治時代の鉄道橋梁として、現在もその美しいアーチ構造が残されており、当時の建築技術の高さを示しています。この橋梁は観光地としても注目を集め、多くの鉄道ファンや歴史愛好家が訪れています。

周辺環境とアクセス

福岡県道418号英彦山香春線

内田三連橋梁の周辺には、福岡県道418号英彦山香春線が通っており、観光客が訪れやすい立地です。また、平成筑豊鉄道に乗車して赤駅または内田駅で下車すると、橋梁へとアクセスできます。周辺は自然豊かな地域で、散策しながら橋梁を眺めることができます。

第二石坂トンネルとの関わり

内田三連橋梁の近くには、平成筑豊鉄道の沿線に歴史的に重要な建造物が点在しています。その一つが、みやこ町犀川崎山〜赤村大字赤に跨る第二石坂トンネルです。このトンネルは九州最古の鉄道トンネルであり、内田三連橋梁と同じく1999年に国の登録有形文化財に登録されました。これらの建造物は、地域の歴史を物語る貴重な存在です。

内田三連橋梁の見どころ

上流側と下流側の違い

内田三連橋梁の大きな魅力の一つは、上流側と下流側で異なる積み方が見られる点です。下流側の煉瓦積みは「げた歯構造」と呼ばれる技法を用いており、複線化に備えた工夫が凝らされています。一方で、上流側は切石積みとなっており、橋梁の両側で異なるデザインが楽しめます。これらの異なる工法のコントラストが、観光客や鉄道愛好家にとって見逃せないポイントです。

季節ごとの風景

内田三連橋梁周辺は、四季折々の美しい自然に囲まれています。春には桜が咲き誇り、橋梁とのコントラストが見事です。夏には青々とした木々が生い茂り、秋には紅葉が彩りを添えます。冬には雪化粧した橋梁が幻想的な風景を作り出し、どの季節に訪れても異なる魅力を楽しむことができます。

観光スポットとしての内田三連橋梁

内田三連橋梁は、歴史的な価値だけでなく、その美しいデザインと自然との調和が観光スポットとしても高く評価されています。鉄道ファンだけでなく、歴史や建築に興味のある人々にとっても魅力的な場所です。訪れる際には、周辺の散策コースを歩きながら、橋梁の異なる視点からの眺めを楽しんでみてください。

まとめ

内田三連橋梁は、明治時代に建設された歴史的価値の高い鉄道橋であり、現在もその美しいアーチ構造が残されています。煉瓦積みと切石積みの異なるデザイン、国の登録有形文化財に指定された背景、そして自然との調和が見事なこの橋梁は、多くの観光客に愛されるスポットです。訪れる際には、橋梁の歴史や建築美を楽しむとともに、周辺の自然やその他の歴史的建造物にも足を運んでみてはいかがでしょうか。

Information

名称
内田三連橋梁
(うちだ さんれん きょうりょう)

筑豊・行橋

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