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青龍窟

(せいりゅうくつ)

青龍窟は、福岡県京都郡苅田町にある鍾乳洞で、北九州国定公園内の平尾台に位置しています。昭和37年(1962年)に国の天然記念物に指定されたこの洞窟は、長い歴史を持ち、観光や自然観察の場としても知られています。

青龍窟の概要

青龍窟は、標高400メートルのカルスト台地(羊群原)に位置し、平尾台最大の鍾乳洞として知られています。全長約3kmの広大な洞窟で、内部は複雑な迷路のような地形が特徴です。洞窟は三段構造になっており、それぞれ上・中・下の入り口からアクセス可能です。石灰岩の棚がテラス状に広がるなど、洞内の地形は非常に複雑です。

この洞窟は、昭和37年に国の天然記念物として指定され、その美しい自然景観と地質学的な価値が認められています。また、ナウマンゾウの頭蓋骨化石が1976年に発見されるなど、考古学的にも重要な場所となっています。

青龍窟の伝説と歴史

青龍窟には、古代からの多くの伝説や歴史が残されています。洞窟内には、修験道の修行場であった時期があり、普智山等覚寺の奥の院として利用されていました。また、洞窟内で釈迦・文殊などの仏像が発掘され、かつては修行の場としても重要な役割を果たしていました。

青龍窟にまつわる伝説の一つに、景行天皇が「土蜘蛛」という古代の悪霊や怪物を退治したという物語があります。この土蜘蛛が住んでいたと言われる洞窟内には、景行天皇の活躍を称える伝説が語り継がれています。『筑豊名蹟残記』には、「土蜘蛛の住みし岩屋の奥までも誰が移したる仏なりけむ」と記され、古代からの信仰の痕跡を垣間見ることができます。

自然の神秘と考古学的価値

青龍窟のもう一つの魅力は、その自然の神秘です。洞内には長い年月をかけて形成された鍾乳石が点在し、訪れる人々を魅了します。観光地としての整備は最小限に留められており、照明の設置などもされていませんが、平尾台自然観察センターが定期的に探検ツアーを開催しています。これにより、自然のままの状態を保ちながら、訪問者が洞内を安全に探検できる機会が提供されています。

青龍窟は、地質学的にも価値のある場所であり、1976年にはナウマンゾウの頭蓋骨化石が発掘されました。この発見は、日本の古代生態系を理解する上で非常に重要であり、洞窟自体が考古学的な遺産としても注目されています。

修験道の霊場としての役割

平安時代以降、青龍窟は修験道の霊場として利用されてきました。洞内には、豊玉姫を祭神とする等覚寺の奥の院が設置されており、修験者たちが修行を行う場所でした。現在も、洞口ホールには豊玉姫を祀る祭壇が残されており、その荘厳な雰囲気が漂っています。訪れる人々は、この歴史的な背景と共に、霊場としての神聖さを感じることができます。

アクセス情報と注意事項

交通アクセス

青龍窟へのアクセスは以下の通りです:

注意事項

近年の豪雨により、青龍窟へ続く道は土砂災害の影響を受けており、一部区間で車両通行が禁止されています。そのため、車は門扉手前の駐車場に停め、そこから先は徒歩で進む必要があります。探検ツアーに参加される際には、安全に十分注意し、適切な装備を持参することをお勧めします。

苅田町のパワースポット — 青龍窟

青龍窟は、苅田町随一のパワースポットとしても知られています。修験道の霊場として長い歴史を持ち、洞内の神秘的な雰囲気や荘厳な祭壇が、訪れる人々に強いエネルギーを与えてくれます。また、平尾台自体が、世界的に珍しいカルスト地形であり、その中でも青龍窟は特に自然の力を感じることができる場所です。

青龍窟を訪れる際には、洞内の歴史や伝説に触れながら、その神秘的な空間で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。自然の力と歴史が融合したこの場所は、訪れる人々に深い感動を与えてくれることでしょう。

Information

名称
青龍窟
(せいりゅうくつ)

筑豊・行橋

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