旧戸島家住宅は、福岡県柳川市に位置する江戸時代後期の建築物で、侍屋敷として有名です。この住宅は、歴史的価値が高く、庭園は国の名勝に指定されています。柳川市の歴史的景観を代表する建物であり、多くの観光客や歴史愛好家に親しまれています。
旧戸島家住宅は、文政11年(1828年)に柳川藩の中老である吉田兼儔の隠居所として、庭園と共に建設されたとされています。また、寛政年間の建築という伝承も存在し、具体的な建築年については諸説あるようです。特徴的な数寄屋風の葦葺きの2階建ての主屋があり、その主屋に隣接する庭園では、柳川の掘割の水を活用した美しい景観が楽しめます。このような水を取り入れた庭園は、柳川の侍屋敷に共通する特徴でもあります。
旧戸島家住宅は、後に柳川藩主である立花家に献上され、藩の茶室として使用されていました。江戸時代には、茶の湯が武士の間でも重要な文化活動として重んじられており、この住宅もその一端を担っていたのです。明治維新が起こった後、立花家から由布氏に下賜され、その後、明治15年(1882年)頃に由布氏が転居する際に戸島氏の所有となりました。以降、個人住宅として使用され続け、現在に至っています。
昭和32年(1957年)には福岡県の文化財に指定され、昭和53年(1978年)には国の名勝にも指定されました。平成13年(2001年)には建物が柳川市に寄贈され、その後3年間にわたる解体修理が行われ、平成16年(2004年)4月から一般公開が始まりました。現在では、観光客が自由に見学でき、柳川の歴史と文化に触れることができる貴重なスポットとして人気を集めています。
主屋は、数寄屋風の造りを持ち、葦葺きの屋根が特徴的です。2階建ての建物は、武士の隠居所としては豪華でありながら、文人趣味を取り入れた洗練されたデザインが施されています。内部には、当時の生活の様子を偲ばせる空間が広がっており、武士の暮らしぶりを垣間見ることができます。
旧戸島家住宅の庭園は、柳川の掘割の水を活用した水郷ならではの景観が特徴です。この庭園は、四季折々の風景が楽しめ、特に春や秋には美しい花や紅葉が訪れる人々を魅了します。庭園は1978年に国の名勝に指定され、その美しさは全国的にも評価されています。
旧戸島家住宅の庭園は、1978年8月25日に国の名勝に指定されました。この庭園は、江戸時代の武士の生活文化を色濃く反映しており、柳川独自の風情が漂っています。掘割の水を巧みに取り入れた設計は、水の都・柳川ならではの特徴であり、現代においてもその美しさを保ち続けています。
旧戸島家住宅の主屋は、江戸時代文政11年(1828年)の建築と推定されており、1957年4月5日に福岡県指定有形文化財に指定されています。この主屋は、数寄屋風建築として非常に貴重であり、文化財としての価値が高く評価されています。建物は柳川市に寄贈されて以降、修復が行われ、今でもその歴史的価値を保ちながら公開されています。
旧戸島家住宅は、9時から17時まで開館しています。ただし、入館は16時30分までとなっておりますので、時間に余裕を持ってお越しください。毎週火曜日が休館日ですが、火曜日が祝日の場合はその翌日が休館となります。年末年始も休館日がありますので、訪問の際には事前に確認しておくと良いでしょう。
旧戸島家住宅の所在地は、福岡県柳川市鬼童町49-3です。西鉄天神大牟田線「西鉄柳川駅」からアクセスが便利で、バスやタクシーで簡単に訪れることができます。徒歩でもアクセス可能なため、周辺を散策しながら訪れるのもおすすめです。
最寄り駅の「西鉄柳川駅」からは、西鉄バス「早津江」行きに乗車し、「水天宮入口」バス停で下車後、徒歩1分で到着します。または、「御花前」バス停で下車し、徒歩2分でもアクセス可能です。さらに、堀川バス「かんぽの宿柳川」行きに乗車し、終点で下車後、徒歩10分で到着します。
車で訪れる場合、九州自動車道みやま柳川インターチェンジから約11kmの距離にあります。駐車場の有無や混雑状況など、訪れる際の情報を事前に確認しておくと良いでしょう。
旧戸島家住宅は、柳川市の歴史と文化を今に伝える貴重な建物であり、侍屋敷としての特徴を色濃く残しています。美しい庭園と数寄屋風の建築が融合したこの住宅は、歴史愛好家だけでなく、自然や日本建築に興味がある人々にも大いに魅力的なスポットです。福岡を訪れた際には、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。