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八女市黒木

(やめし くろぎ)

八女市黒木は福岡県八女市に位置する、重要伝統的建造物群保存地区として知られています。八女市黒木町黒木および黒木町桑原の一部、約18.4haにわたるこの地域は「筑後黒木」とも呼ばれ、美しい伝統建築と豊かな歴史的背景を持つ町並みが広がっています。

黒木の歴史と成り立ち

八女市黒木(旧・八女郡黒木町)は、もともと猫尾城の城下町として発展しました。城の廃城後には、久留米藩の在郷町としても発展を続け、特に山からの豊富な産物を取り扱う商業の中心地となりました。

町の形成と水路の整備

1587年(天正15年)に、矢部川と笠原川の合流点付近にある素盞鳴神社を中心として、現在の下町が形成されました。その後、東側に延びるように中町や上町が整備され、さらに1714年(正徳4年)には黒木廻水路が完成し、町全体に灌漑用水が行き渡るようになりました。

黒木の伝統的建造物と建築様式

八女市黒木の町家は「居蔵造」と呼ばれる建築様式が特徴で、入母屋造の妻入り二階建ての構造が基本です。浅瓦を葺いた屋根と、軒裏までしっかりと塗り込められた漆喰の外壁は防火性を高めており、この独特の造りが風情ある町並みを形成しています。

時代とともに変化する建築

明治後期から大正時代にかけては、真壁造りや洋風建築も見られるようになり、町並みは時代と共に少しずつ変化を遂げていきました。このような歴史的建造物が保存され、2009年には「黒木町黒木」として重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。翌年の2010年2月1日に市町村合併により八女市に編入され、現在は「八女市黒木」として名を継いでいます。

主な見どころと歴史的建造物

旧松本家住宅

旧松本家住宅は、黒木の町並みの中で特に歴史的価値が高い建物の一つです。保存状態が良く、当時の生活様式や建築様式を感じることができます。

旧隈本邸

旧隈本邸もまた、黒木の伝統的な町家建築を代表する建物です。内部は昔ながらの雰囲気を保っており、訪れる人々に歴史を感じさせます。

素盞鳴神社

素盞鳴神社は、町の中心に位置する歴史ある神社で、境内には国の天然記念物に指定されている「黒木のフジ(黒木の大藤)」があります。毎年4月中旬から5月上旬にかけて「黒木大藤まつり」が開催され、多くの観光客が訪れます。

津江神社

津江神社には樹齢800年の大クスがあり、その存在感と生命力から地元の人々に親しまれています。

黒木公園と南仙橋

黒木公園は、町の住民や観光客の憩いの場となっており、歴史ある風景と自然が融合した美しい場所です。また、公園内には「南仙橋」という風情ある橋もかかっており、訪れる人に癒しの空間を提供しています。

重要伝統的建造物群保存地区データ

地区名称: 八女市黒木
種別: 在郷町
選定年月日: 2009年6月30日
選定基準: 伝統的建造物群とその周囲の環境が地域的特色を顕著に示すもの
面積: 約18.4ha

アクセス情報

八女市黒木へは以下の交通手段でアクセス可能です。

周辺の観光スポット

八女福島

八女福島も八女市内にある重要伝統的建造物群保存地区で、美しい町並みが魅力です。八女市黒木とともに、歴史的な町の風景を堪能することができます。

城山公園(猫尾城跡)

城山公園は、かつての猫尾城の跡地を利用して作られた公園です。歴史を感じさせる風景と自然が美しく、散策や観光に適しています。

霊巌寺(八女茶発祥の地)

八女市はお茶の産地としても有名で、霊巌寺はその発祥地とされています。お茶好きにはぜひ訪れていただきたいスポットです。

お茶の里公園

お茶の里公園では、八女茶の魅力を存分に味わえる施設が整っています。お茶に関する体験や試飲が楽しめます。

グリーンパル日向神峡とグリーンピア八女

自然豊かな日向神峡とグリーンピア八女では、アウトドアや家族連れのレジャーを楽しむことができます。川遊びやキャンプなどもできるので、自然を満喫したい方におすすめのスポットです。

以上が、福岡県八女市黒木についての観光案内です。歴史的な建造物や自然、地域に根差した文化が豊富な八女市黒木は、訪れる人々にとって新たな発見と感動を提供する場所です。訪れた際には、町並みの風情や人々の温かさを感じながらゆったりとしたひと時をお過ごしください。

Information

名称
八女市黒木
(やめし くろぎ)

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